第1回 夢について

-夢の簡単な構造-

人はなぜ夢をみるのでしょうか。

夢をみることにどんな意味があるのでしょうか。

また、夢というものは人によっては毎晩みるという人もいれば、

ほとんど夢なんてみないという人もいたりで、

大きく個人差がわかれてしまう不思議な代物ですよね。

今回はなぜ夢をみるか、ということはとりあえず横において、

夢をみることにどんな意味があるのかということを

考えてみたいと思います。

夢というものは、自分自身の深い意識の中に普段は眠っている、

もうひとりの自分だと考えることができると思います。

起きているときの意識をつくり出している根本となっている

意識の世界とも言うこともできるでしょう。

ですから、夢を記憶するということは、

ほんとうの自分自身を知ることになり、

自分の持っている悩みや苦しみの

ほんとの原因を探るきっかけにもなるのです。

人は原因が分からないことに恐怖し、苦しみます。

ほんとうの自分自身を知るということはとても大切なことで、

それを夢が教えてくれるのです。

それでは、実際には夢をみる人と

みない人との違いはどうなのでしょうか。

睡眠には、ノンレム睡眠といって大脳を休息させる睡眠と、

レム睡眠といってノンレム睡眠中に機能が低下した大脳を再び目覚めさせ 、

そのかわりに身体を休ませるという二つの睡眠があり、

それが交互に訪れるという研究結果が報告されています。

そして、夢は、身体は休息しているけど、

大脳が起きているレム睡眠中にみるといわれています。

すなわち、この研究結果は、誰もがひとばんのうちに

複数の夢をみているということを証明したわけです。

夢をみないという人は、ほんとうは夢をみていないのではなく、

みていた夢をすっかり忘れてしまっていただけだと・・・。

では、せっかくみた夢を忘れないようにするためには、

どうしたらいいのでしょうか。

方法はいろいろあるのですが、そのなかで、

香りの力を借りるというやり方は、比較的簡単で、

しかもけっこう効果が表れやすい方法のひとつだといえると思います。

それは、香りは私たちの深い意識に関係があるといわれている

大脳辺縁系という脳の部位を直接刺激するためです。

そのため、眠りにつくときにアロマテラピーの力を借りることによって、

ある程度、夢をコントロールすることも可能となってくるのです。

その方法としては、おなじみの芳香浴をしながら、

眠りにつくというのがいいでしょう。

枕の隅に、精油を1~2滴垂らすのもいいでしょうし、

お皿に水を張った電気式のアロマランプに

精油を数滴垂らして眠るのもいいでしょう。

ただし、電気式のアロマランプを使うときは、

睡眠の邪魔にならないように、光度を暗めに設定するとか、

何かの影に置くなどして、眩しくて

睡眠の邪魔にならないように工夫をしてくださいね。

お勧めの精油は、まずは自分自身が

心地良いと思える香りのものが、一番のお勧めです。

ただ、夢を記憶させてくれる働きをしてくれるという精油は

「クローブ」だといわれています。

クローブを焚いて眠ることで、私自身の体験でも、

かなりの確率で夢を記憶させてくれました。

ただし、かなりツンとした香りなので、

使用するときは、クローブと相性がいいといわれている精油の中でも、

イランイランやベンゾイン、ローズなどのように、

リラックス効果が高い精油とブレンドして使用した方がいいかもしれません。

クローブは、深い意識の記憶を呼び覚ましてくれる

働きがあるといわれています。

そのため、起きているときの意識より、ずっとずっと

深い意識でみる夢の記憶を呼び覚ましてくれるのでしょう。

もちろん、夢を記憶できるかどうかは、

香りの問題だけで解決できるものではありませんし、

いままで夢をまったくみなかったという人が、

ひとばんクローブを焚いて寝ただけで、

夢をすべて記憶できるようになったなんて奇跡は

なかなか起こりづらいことです。

焦らず、ゆったりとした気持ちで試されてみるのが

いいのではないかと思います。


◆夢を記憶するためのアロマ
-クローブについて-

今回はクローブの精油をピックアップして、

特徴などをご紹介したいと思います。

名前:クローブバッド
学名:Engenia caryophyllata

特徴:スパイシーな強い香り。鎮痛効果に優れるためにリウマチ、

関節炎、筋肉痛などに用いられます。

民間療法では歯痛を和らげるために、

1滴歯に塗る使い方をされていました。

また、呼吸器系の症状にも用いられます。

クローブバッド(実)を使い、リーフ(葉)やステム(茎)は

使わない方がよいでしょう。

注意点:妊娠中は使用しない方がよいでしょう。

皮膚刺激があるので十分希釈し多量に使用しないことです。

また、わずかに毒性があるため、多量に使用したり、

長期間続けて使用しないようにしてください。