++ 金背について ++

 

 

金星は太陽系の天体の中でもっとも反射率の高い天体であるため、

地球からはたいへん美しく輝いて見えます。

 

昔から「宵の明星」、「明けの明星」といわれて親しまれ、

人々を魅了し、美や豊饒、快楽の象徴とされてきました。

 

実際の金星は、その美しい輝きと反して表面が厚い雲で覆われ、

実体がなかなか見えにくい天体でもあります。

そのため、吉凶の作用が現れるのが遅くなることもあるともいわれています。

占星術での金星は、牡牛座宮と天秤座宮の主星となっています。

 

基本的な意味は、妻、恋愛や愛、とくに音楽などの芸術、

金銭、財産などを指します。

 

このように金星の意味はひとつには絞りきれないので、

その人のホロスコープの中でなにを意味しているかは、

他の星の配置と照らし合わせながら、よく検討しなければわかりません。


しかし、一般的には金星の象徴は女性を表す記号と共通し、

永遠に女性的な力=エロスを示しています。

すなわち各人を魅了する愛の形は、

出生時の金星星座宮に象徴されているのです。

 

男性にとっては、理想の女性像を示します。

女性にとっては、異性に対して演出する

魅力的な自分のイメージを示すことになるのです。

 

ただし、この場合の金星が示す愛情は、

現実的で多少打算的な愛情を意味しています。

 

小惑星パラスが損得抜きの愛情を相手に捧げるのに対して、

金星の示す愛情は経済的安定も考慮した愛情を意味しているのです。

火星と金星を組み合わせて考えるときは、

火星が男性的ならば金星は女性的、

火星が革新的ならば金星は保守的という具合に対比されます。

 

年齢的には15歳から24歳という、もっとも多感な時期を表しています。

英語表記では、金星は「ビーナス」といいます。

これは金星が愛と美を司る女神とされていたからです。

多くの神話では、その美しい輝きから美を象徴し、

恋愛や快楽を司る女神とされています。

 

バビロニア神話では、月神の娘女神イナンナ、あるいは女神イシュタルであり、

イナンナは神話のなかで夫を探しに冥界下りにおもむき、再び甦りました。

 

エジプト神話では愛と芸術の女神ハトホル、

ギリシャ神話ではアフロディテとして、

キューピットを引きつれた愛と美の女神が金星の象徴とされています。