ティートゥリー

 

アロマテラピーでは、ラベンダーと並んで最もよく使われる精油です。

とくに身体に対する優れた作用をたくさん持っていま す。
同じオーストラリア原産でフトモモ科のユーカリは、

19世紀後半からヨーロッパでも栽培されています。

ティートゥリーは、いまだにオーストラリア以外の地域への

移植が成功していないので、精油はほぼすべてオー ストラリア産です。

 

 

【身体へのはたらき】

風邪の予防のほか、空気清浄や悪臭の除去などの

消臭の効果(デオドラント)があります。

 

体臭が気になる人は、アロマバスや足浴(フットバス)に使ったり、

ティートゥリーを使った消臭スプレーなどが効果的です。


【心へのはたらき】

気分を冷静にさせたり、頭をはっきりさせてくれるので、

神経質になっているときに役立ちます。

精神的ショックを受けたときなども、

気分を落ち着かせて立ち直るのを助けてくれます。


【ミニ知識】

洗濯のときに洗剤と一緒に精油を5滴ほど落としたり、

水ぶき掃除のときに使うなどの利用法もあります。

室内のタバコの臭いを消したいときなどは、レモングラスとブレンドして、

少し強めに香らせるのも効果的です。


【注意すること】

精油は原則的に原液のまま直接肌につけてはいけませんが、

例外的にラベンダーとティートゥリーは、

「少量かつ局部的」という条件で原液のまま用いることができます。
ただし、アレルギーを起こすこともあるので、

直接肌に触れる使い方をするときには、

事前に少量でパッチテストを行う必要があります。


【エピソード】

名前は、キャプテン・クックがオーストラリアを初めて訪れたとき、

アボリジニがこの木の葉でお茶を入れたことに由来します。

でも、ツバキ科のお茶の木とはまったく別の植物です。

近代アロマテラピーの礎を築いたフランス人医師のジャンバルネ博士は、

第二次世界大戦中、最前線の兵士の治療に

ティートゥリーを用いたという話が有名です。

オーストラリアには、「泳ぐと健康になる」という湖の言い伝えがあります。

その湖岸にはティートゥリーが茂っていて、水面に葉を落としていたことが

不思議な力の秘密であったと考えられています。

 


 

【英名】 Tea-tree
【学名】 Melaleuca alternifolia
【科名】 フトモモ科
【主産地】 オーストラリア、ジンバブエ
【抽出部位】 葉
【抽出方法】 水蒸気蒸留法
【成分の一例】 テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、1.8-シネオール

【作用】 抗感染、抗炎、消毒、抗ウイルス、殺菌、鎮静、瘢痕形成、発汗、

去痰、殺真菌、免疫強化、殺寄生虫、外傷治療



 
写真:アロマテラピー・ガイド