ジャスミン・アブソリュート

 

陶酔と高揚感を誘う、強い香りが特徴です。

ローズと並ぶ貴重な精油で、ローズが「精油の女王」と呼ばれるのに対して、

ジャスミンは「精油の王」と呼ばれています。

 

 

【身体へのはたらき】

ホルモンのバランスを整えます。

アロマテラピーではフェイシャルマッサージにも使われますが、

とくに乾燥肌、敏感肌に適しています。

催淫作用があることでも有名で、とくに男性の官能的な気分を刺激します。


【心へのはたらき】

強い香りが、自信を失った心に勇気を与えてくれます。

活力を与えるほかに、リラックス効果もあります。


【注意すること】

香りはとても強い上、高い持続性があります。

芳香が長続きするので、少量のみの使用でも十分に効果はあります。

特に妊娠中の人は、使用量を控えめにしてください。

ジャスミンの精油は、香水産業において高い需要があります。

ただし、たいへん高価なことから、他の精油で偽和したものや

化学的に合成したものも大量に流通しています。

購入の際には、偽物をつかまされないように注意してください。


【ミニ知識】

1トンの花(約 800万個分)からわずか1kgしか採れず、

年間生産量は、世界中のものを総計しても5、6トン程度しかありません。

ローズやネロリと並んで、非常に高価な精油です。

ジャスミンの花は、日没後に内部で化学的な変化が起こって

香りが強くなるため、摘み取りは通常、

夜間にたくさんの人手を使って行われます。

日中に摘み取っても良い香りのものは得られないので、

このことも生産コストを上げる要因になっています。


【エピソード】

語源は、アラビア語の「ヤスミン」です。

インドやアラビアでは、古くから「媚薬」として盛んに使われてきました。

クレオパトラが愛した香りとしても有名で、媚薬的パワーを利用して

ローマ帝国のカエサルやアントニウスを魅惑したというエピソードもあります。

 


 

【英名】 Jasmin Absolute
【学名】 Jasminum officinale Jasminum grandiflorum
【科名】 モクセイ科
【主産地】 アルジェリア、モロッコ、エジプト、イタリア、フランス、インド、コモロ
【抽出部位】 花
【抽出方法】 溶剤抽出法
【成分の一例】 主成分・酢酸ベンジル、フィトール、酢酸フィティル、ジャスモン
【作用】 穏やかな鎮痛、抗うつ、抗炎、消毒、鎮痙、催淫、駆風、瘢痕形成、

去痰、催乳、出産促進、鎮静、子宮強壮



 




写真撮影:青木繁伸さん