カモミール・ジャーマン

 

カモミール・ジャーマンのエッセンシャルオイル(精油)は、

少しぴりっとした香りで、カモミール・ローマンよりも

ややシャープな趣があります。

深青色をした精油で「ブルー・カモマイル」と呼ばれることもあるようです。

また、カモミール・ローマンより味がよいとされ、

ハーブティーとしてはこちらの方が広く馴染みがあるでしょう。

 

 

【身体へのはたらき】

成分であるカマズレンの抗炎症作用、抗アレルギー作用が特徴的で、

皮膚炎 などの皮膚の治療や、子供の治療によく使われます。


【心へのはたらき】

ゆっくりとリラックスさせてくれて、イライラや怒りを優しく鎮めてくれます。

不安や緊 張、怒り、恐怖の感情をほぐして、

心を深く落ち着かせてくれる優れた力があります。


【注意すること】

肌と呼吸器系アレルギーによいと言われていますが、

症状の悪化やアレルギー反応を引き起 こす恐れもあります。

使用の際は0.5%以下に希釈してください。

また、事前のパッチテストは必ず行うこと。

妊娠の最初の3ヶ月間は使用を避けてください。


【エピソード】

古代エジプト人は、カモミールを太陽神ラーに捧げる

神聖なハーブとみなしていました。

エジプトではまた、カモミールの精油は、

あらゆるタイプのマラリア熱の薬として使われ、

頭の先からつま先まで浄化のために使われたそうです。

 

また、アラブの医師からも価値のあるハーブとみなされ、

ムーア人の残した多くの本草書にはカモミールのことが載っているそうです。

 

サクソン人は、カモミールのことを「マイセン」と呼び、

彼らが崇める9種のハーブのひとつに数えました。

 

その後、この花は聖母マリアの母、聖アンナに捧げられました。

 


 

【英名】 German Chamomile
【学名】 Matricaria chamomilla
【科名】 キク科
【主産地】 ドイツ、フランス、モロッコ、南、東ヨーロッパ、ハンガリー、エジプト
【抽出部位】 花
【抽出方法】 水蒸気蒸留法
【成分の一例】 ビサボロール誘導体、カマズレン
【作用】 鎮痛作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗けいれん作用、

殺菌作用、駆風作用細胞成長促進作用、胆汁分泌促進作用、白血球増殖作用、

消化作用、通経作 用、解熱作用、殺真菌作用、強肝作用、鎮静作用、健胃作用、

発汗作用、駆虫作用、癒傷作用

 

 

 

写真撮影:青木繁伸さん