ネロリ

 

地中海沿岸が主産地のビターオレンジの花から抽出した精油です。

柑橘系の爽やかさとフローラル系の両方を兼ね備えた香りが特徴です。
開花したばかりの花しか使えず、一つ一つ手で採取するので、

精油の中でも比較的高価です。
同じビターオレンジの葉、枝より水蒸気蒸留法で抽出されたものは、

「プチグレン」と呼んで区別しています。

 

 

【身体へのはたらき】

アロマテラピーやエステサロンでは、老化肌、乾燥肌、敏感肌向けの

フェイシャルマッサージによく使われます。

リラックスさせ安眠を促すので、ゼラニウムと同じく更年期の女性や、

毎月一定のリズムで不安定になる女性に適しています。
催淫特性もあります。


【心へのはたらき】

不安や気分の落ち込み、精神的ショック、怒りなど、

あらゆるネガティブな感情を和らげます。


【ミニ知識】

樹齢20年以上の木が咲かせた花から採れる精油が最も上質とされています。
レモン、マンダリン、オレンジスイートなどの

柑橘系の花から抽出される精油も「ネロリ」と呼ぶことがあります。

これらと区別するときには、オレンジビターから抽出したものは

「ネロリビガラード」と呼びます。

なお、他の「ネロリ」と比べると、

香りも特性も「ネロリビガラード」が最も優れています。


【注意すること】

柑橘系の精油ですが、光毒性はありません。

ただし、同じビターオレンジの果皮から抽出する

「オレンジ・ビター」という精油は刺激が強く、光毒性があります。


【エピソード】

名前は、イタリアのネロラ公国の

アンナ・マリア妃が愛用したことに由来します。

マリア妃は、香水やアロマバスにネロリの精油を使っていました。

 

ナポレオンやゲーテも愛用した世界最初の香水「ケルンの水」は、

ネロリがベースになっています。

現在でも、高級化粧品やオーディコロンの原料とし重宝さ れています。

 


 

【英名】 Neroli
【学名】 Citrus aurantium
【科名】 ミカン科
【主産地】 イタリア、フランス、モロッコ、チュニジア、ポルトガル、

エジプト、コモロ、スペイン
【抽出部位】 花
【抽出方法】 水蒸気蒸留法
【成分の一例】 主成分・リナロール、リモネン、酢酸リナリル、

ネロールネロリドール、ゲラニオール
【作用】 抗うつ、消毒、鎮痙、催淫、殺菌、駆風、瘢痕形成、強心、消臭、

消化促進、殺真菌、緩やかな催眠、神経刺激、血行強壮


 

写真:アロマテラピー・ガイド