第7回 イメージの世界について

イメージの世界について

今回はだれもが持っているイメージの世界について

考えていきたいと思います。

イメージってなんなのかということを考えてみると、100人の人間がいれば

100のイメージがそこに存在するほど多種多様なものです。

人それぞれが、いろんなイメージを持っているのは

だれもが共通の認識として持っているものだと思います。

ところが、すべての人がまったく異なるイメージを

持っているのかというと、それはちがいます。

育った環境が近かったり、入ってくる情報が同じようなものであれば、

その人たちのイメージは自然に似たものになってくるという傾向が

あることも認められているからです。

たとえば、同じ日本人であれば、「鳩」からイメージすることといったら、

だれもが「かわいい」「平和の象徴」などというものを

あげるのではないでしょうか。これが共通のイメージというものです。

ちなみに、これが風習がちがう他国にいくと、同じ「鳩」から

「おいしい食べ物」とイメージする人もいたりします。

なにやら不思議な感じがしますが、日本とちがって

中国などでは鳩を食用にしているので、

こういう異なるイメージが生まれることもあるのです。

いまの鳩の例とまったく正反対なのが「牛」です。

日本人はこれを「おいしい食べ物」と思っていますが、

インドなどにいるヒンズー教徒の人たちは

「聖なる生き物」というイメージで捉えています。

したがって、「牛を食するなんてもってのほか」というふうになるわけです。

このようにイメージには共通のものがあるものの、

生活習慣などのちがいから大きく異なることもあるようです。

そうかと思えば、中には生活習慣の異っていても

共通するイメージもあるから不思議です。

そのような例は、神話やその地に伝わる昔話などに多く見られま す。

たとえば、西洋の地に伝わる魔女のイメージと、

日本の昔話に出てくる山姥は、呼び名こそちがっているものの、

容姿やしぐさなどにたいへん多くの共通点が見られます。

そのことは心理学の世界でも指摘されています。

有名な「ヘンゼルとグレーテル」という話に象徴されるように、

西洋の昔話に出てくる悪い魔女は森の奥に住んでいます。

そして、親切そうな態度を見せつつ、訪れた子どもたちを

食べてしまうという恐ろしいイメージで語られています。

日本の昔話に出てくる山姥や鬼婆のイメージもこれとよく似ています。

やはり山の中に住み、子どもたちをはじめとして

人間を食べてしまうという物語が多く見受けられるのです。

いまあげたのはひとつの例ですが、世界各地の多くの神話の中で

このような共通のイメージがあることが認められています。

これを「あるひとつの話が世界中に広がった結果」とする見方もあるようです。

一方、有名な心理学者のユングなどは、

「人間の深い意識の底には共通のイメージの世界がある」として、

そこで見たものをそれぞれが伝えた結果、

異なる地域で似通った話が生まれたとする見方をしているようです。

ユングの考え方は、ヨガや禅などの影響を強く受けているといわれています。

こういう神秘学の世界でも共通のイメージの世界があるとされていて、

瞑想などによって深い意識に入ることで

その世界にアプローチできると考えられています。

その世界はすばらしいアイデアの宝庫で、才能豊かな芸術家や科学者などは、

このイメージの世界から多くのヒントを得ている

というような夢物語のような話もあります。

このようなイメージの世界が本当にあるかどうかは

皆さん一人一人の判断に任せるとして、

自分の持つイメージをステキなものに変えられたら、

人生がもっとステキになることはまちがいないでしょう。


◆イメージを膨らませてくれるアロマ
-クラリセージついて-

名前:クラリセージ
学名:Salvia sclarea

香りを漂わせる精油は、どれもすべてイメージの世界に

アプローチさせてくれるものだと考えてられています。

その中でも今回は、「創造力を沸き立たせる」 といわれる

クラリセージを紹介します。

クラリセージの香りは精神的には幸福感を与え、

気分を明るく高め不安を和らげるとされています。

その効果は絶大で、気分が高揚した結果、

舞い上がった状態になってしまうこともあるようです。

また、自由な発想を促し、想像力を強めてくれるともいわれています。

その意味では、創造的な仕事をする人には

うってつけの精油といえるかもしれません。