地中海沿岸地方原産の常緑性の低木で、現在は料理での需要も高く、
世界中で栽培されています。
クールで清涼感のある香りが特徴の精油は、アロマテラピーでは
ラベンダー、ティートゥリーに次いで頻繁に使われています。
【身体へのはたらき】
刺激ある香りには、意識をはっきりさせる優れた作用があるとされています。
脳内の大脳辺縁系には海馬という記憶を司る組織がありますが、
この組織に働きかけて記憶力や集中力を活性化させるという実験結果もあります。
ちなみに、肉の鮮度を保つために料理にしばしば使われるように、
殺菌作用や消臭効果もあります。
【心へのはたらき】
リフレッシュ効果があるので、心労や覇気がなくなっているときに
適しているとされています。
【ミニ知識】
ローズマリーの精油は、主にチュニジア、モロッコ、フランス、
スペインなど地中海西部沿岸で生産されています。
このうちカンファー含量が少ないチュニジア産のものが、
アロマテラピーに最適とされています。
【エピソード】
英名の「Rosemary」は、「マリアのバラ」(Rose of Mary)が語源です。
これはマリアが迫害を受けてエジプトへ逃げる途中、
野宿のために自分の青いマントをローズマリーの上にかけると、
白かったローズマリーの花が
一夜のうちブルーに変わったという伝説に由来しています。
ちなみに、学名の「Rosmarinus」(ロスマリヌス)は、
ラテン語で「海のしずく」という意味です。
ローズマリーにまつわるエピソードは、ハンガリーの王妃
エリザベ-ト1世が使った「ハンガリアンウォーター」
(ハンガリー水、ハンガリー王妃の水)が最も有名です。
尼僧から献上されたローズマリーを主成分とした
ハンガリアンウォーターを使った王妃は美しさを保ち続け、
ポーランドの国王からプロポーズされたときには
なんと70歳になっていたと伝えられています。
【英名】 Rosemary
【学名】 Rosemarinus officinalis
【科名】 シソ科
【主産地】 フランス、チュニジア、ユーゴスラビア、スペイン、
ポルトガル、イタリア、モロッコ、アメリカ
【抽出部位】 葉
【抽出方法】 水蒸気蒸留法
【成分の一例】 1.8-シネオール、α-ピネン、カンファーカフェイン、
ミルセン、リモネン
【作用】 鎮痛、抗微生物、抗酸化、抗リウマチ、消毒、鎮痙、催淫、収斂、
駆風、頭脳明晰、瘢痕形成、強心、白血球強壮、発汗、消化促進、利尿、
通経、殺真菌、強 肝、血圧上昇、神経調整、殺寄生虫、発赤、刺激、健胃、
発汗、強壮、外傷治療