心の境界線を取り払ったら
どうなるんだろうって
子供の頃から思ってた
どうしてわたしの心は
わたしだけのものでしかないのかって
ずっとふしぎだった
あなたがわたしの心に
触れられないように
わたしもあなたの心に
触れることができない
ほんとうはひとつであるべき心が
別々に存在している、ふしぎ……
でも、あるとき
知ることができたの
心をもっとも純粋に
もっとも透明にすれば
心の境界線はなくなるんだって
境界線を作っていたのは
わたしだけが幸せになりたいとか
わたしがいちばん幸せでいたいとか
そんなエゴイスティックな心が
境界線を作っていたんだって
わたしよりも
あなたを大切にしたい
そう思えた瞬間
心の境界線は消えて
あなたの心の中に
わたしの心が入っていく……
あなたの心に
わたしの心が溶けこんでいく……
心と心が溶けあうときの至福感は
肉体と肉体が交わるときのものとは
比べものにならないエクスタシー
細胞のひとつひとつが
喜び
歓喜する……
そして
まばゆく
透明な
やさしい光の中で
わたしもあなたと同じ
光になっていく……
そのとき
境界線なんて
もうどこにも
存在しない……
2003.1.30