猫は毛皮を着替えて帰ってくる 第1話

 

2016年の8月の暑い盛りの時、一匹のネコをお迎えしました。
今回は、その子にちなんだお話しを、何回かに分けて書く事にします。

よく行く近所のホームセンターにペットコーナーがあります。
いつもは、そういうところでネコを見ると、なんだか可哀想になってしまうので、
あまり見ないようにしていたのですが、
そのときは、なぜか目が行ってしまい、見入ってしまいました。

そこは、ほとんどがワンちゃんが中心のペットショップなのですが、
一番端っこにある縦に長いケージの中には、ネコちゃんが3匹いました。

案の定、その子達を見ていたら、可愛いという気持ちより、
いつにも増して、可哀想な気持ちばかりが出てくるのでした。

とくに、その3匹の中でも、既に生後半年を過ぎて
すっかり大きくなってしまっている耳折れのスコティッシュの子が
本当に可哀想で可哀想で、どうしていいかわからないくらいに
可哀想な気持ちでいっぱいになってしまったので、
店員さんに頼んで、とりあえず抱っこさせてもらうことにしました。

ペットショップでネコちゃんを『買う』事はもちろん、
そんな風に抱っこをさせてもらった事も初めての事でした。

するとその子は、おとなしく私に抱っこされていました。
初対面だし、とくに甘える感じもないけれど、かといって拒否するでもなく、
私の肩に手をかけて、けっこう長い時間、ジッとしていたのです。

ただ、その子の後ろ足を見ると、
去年に他界した愛ネコのミラムちゃんの最後を彷彿とさせるような感じで、
むくんでいるような感じで、全体の体型と比較しても、
少し不自然に大きくなっていたのです。

ミラムちゃんが他界したときは、あまり詳しくは書きませんでしたが、
後ろ足が異常に腫れて、自力で歩けなくなっていたのです。
そこまでは腫れていなかった方の後ろ足も、
やはり、普段よりは大きくなっていたのですが、
あまり腫れがひどくなかった方の足と、まったく同じ状態のように
その子の両方の後ろ足が見えたのです。

その足のことは、なんとなく気になったものの、
そのことは、ペットショップの店員さんには聞くことはせず、
その二日後に、その子をうちの子として迎え入れることにしました。

ただ、その子は、最初は女の子だとばかり思っていたのですが、
抱っこをさせてもらったときに、男の子だと気づきました。

実は、うちには、やんちゃな先住の男の子がいて、
その子は相手が女の子であれば、あまり攻撃的にならないのですが、
男の子同士だと、果たして仲良く出来るか不安があったので、
その子が男の子だと気づいたときは、本当に迷いました。

でも、それよりも、どういうわけか可哀想な気持ちが勝ってしまい、
その子をうちに迎え入れることに決めたのでした。

ショップの店員さんは、新しい子は最初はゲージに入れて
それで、先住のネコちゃんと慣れさせてくださいと言われました。

後でネットで調べてみると、本当は、最初は新しいネコは部屋を別にして、
お互いの匂い交換から始め、ゆっくり時間をかけて対面させると
ネコちゃんのお見合いがうまくいく確率が上がるらしいと知りました。
でも、いままで飼っていた先代のネコたちは、
「お友達を連れてきたよ-」と新しい子をいきなり連れてきても、
「わー、かわいい♪」という感じで、すぐに慣れてくれていたので、
ネコのお見合いを、そこまで慎重に行う意味を、私はあまりわかっていませんでした。

でも、今回の先住の子は、ちょっと違っていました。
(というか、それがネコとして普通なのかもしれませんが)

ということで、次回に続きます。

 

 

新人のダイちゃんです。